お前のこと、誰にも渡さないって決めた。


「浅野もなかなかやり手ねー、ただのヘタレかと思ってたんだけどな」




夏奈ちゃんのところへ逃げてきた、という次第だ。


そんな夏奈ちゃんは、どうやら翔太くんに関心している様子。





「優しいよね、翔太くん。あんなに注目されているなか、助けに来てくれるなんてすごいな〜っ」




私がそう言うと、




「ひまりって鈍すぎるっていうか、呑気だよね……。ちょっと浅野に同情するわ」




なぜか、夏奈ちゃんは呆れたように肩をすくめた。




「でもね、ほんとは」




私が翔太くんが走ってきてくれた瞬間を思い出しながら話を続けようとしたとき────





「あ〜っ、ひまりちゃん!ここにいたんだ〜!」




可愛らしい声に遮られて。




「香音ちゃん?」




パタパタと駆け寄ってきたのは、香音ちゃんだった。



いつも髪型が可愛いなぁと思ってるけれど、今日は体育祭だからか、普段は見られない高めのツインテール姿で。



いつもにも増して可愛い。



The・女子高生! って感じ。




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