お前のこと、誰にも渡さないって決めた。




〈……えー、ただいまの結果─────〉




アナウンスがグラウンドに響き渡る。

結果が気になるからか、ざわめいていた人々もみんな静まった。



そして、その結果は─────





*





体育祭は、あっという間に幕を閉じた。



夕焼けに染まるグラウンドは、ついさっきまであんなに盛り上がっていたのに、今はテントなどの片付けをする生徒会の人と先生だけ。



私は校舎の廊下の窓からその様子を眺めていた。





「………なんで、おまえここにいるわけ」


「みっくん!」




後ろから声をかけられて、窓から視線を離してぱっと振り向いた。




「なんでって……みっくんのこと、待ってた」




ここはみっくんの教室の前。

たしかに、普通、私が来るわけもない場所だけど。





「へぇ」



みっくんが素っ気なく返事して、

でも私の頬はへらりと緩むばっかり。


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