お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
「みっくんから声かけてくれたの、ほんとに久しぶりだね」
えへへ、と笑いながら言うと、みっくんは睨むように目を細めた。
「………別に、どうだっていいだろ」
「どうだってよくないよ、私は嬉しいんだもん」
はぁ、とみっくんがため息をついた。
いや、こんなことを言いに来たわけじゃなくて!
本当の用件は他にあるんだから!!
「あのですね!」
気合いを入れて口を開いた。
「なに」
「リレー、おめでとう!!かっこよかったよ!!………って、言いたくて、」
そう、リレーの結果は、
《ただいまの結果、一位 四組 ─────》
その瞬間、ものすごい歓声があがった。
優勝が決まった四組だけじゃない、他のクラスも学年も、さらには競い合っていた私たちのクラスまで。
みんながみんな、清々しい顔をしていて。
唯一、翔太くんだけは
『アイツの本気舐めてたかも』
なんて言って悔しそうにペロリと舌を出していたけれど。
「別に大したことじゃねーだろ、そんなの」
とはいえ、当のみっくんは冷静すぎる。