お前のこと、誰にも渡さないって決めた。

●惚れた方の負け【光希side】

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秋もすっかり深まって、
とうとう、今年最後の大きな行事である文化祭の準備が始まった。




「おい、フツーおまえが王子役行くだろ!?」


「フツーってなんだよ……」




耳元でうるさいのは、もちろん利樹。




うちの高校の文化祭は、クジでクラスの出しものが決まる。


といっても、細かく指定されるわけじゃなくて、舞台発表か、構内展示か、模擬店か……という大枠を振り分けられるだけだけど。




俺ら、1-8 の出しものは、舞台発表に決まり。

それから、HRでの多数決で劇をすることになり。



その後、演劇部の女子の提案で、演目はベタに 〈白雪姫〉に決まった。


白雪姫、とひとくちに言っても、台本はオリジナルで、かなりパロディも組み込んでいくことになっている。




そして、ついさきほど配役が決定したわけなんだけど────




「俺なんか小人だし!!」


「いいじゃん、似合ってるだろ」




小人なんかやだ、なんて駄々をこねる利樹を、似合ってる、と一蹴して。



すると利樹は、不服そうに口を開いた。



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