お前のこと、誰にも渡さないって決めた。


「光希くんが、彼女にしてた女の子たちのことを立て続けに振ってるってうわさで聞いたからね、私はいつなんだろうって思ってたよ」



藤宮の言葉を聞いて、

あぁ、“楽しそう” は建て前だったということに気づいた。




「もしかしたら、私が本命で、だから他の子たちを振ってくれてるのかなあ、なんてポジティブに考えてみたりもしたけどね、」



「……、」




「今日光希くんから、呼び出されて、やっぱり違ったんだーって、ショックだったなあ」




藤宮が空から視線を下ろして、
俺の目をじっと見つめる。




「ね、いつ気づいたの?ひまりちゃんのこと、恋愛感情ですきだって」




度肝を抜かれる、というべきか。

さすが、というべきか。



……藤宮、気づいてたのか。




「体育祭が終わって少ししたくらい。結構、最近」



正直に答えると、藤宮は目を細めて、




「あれ、思ってたより遅かったね」



なんて言う。




「私は最初からわかってたよ」


「最初からって………」




藤宮がなにを言いだそうとしているのか、
皆目見当もつかなくて呆然とする俺に、藤宮は諭すように話しはじめる。




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