お前のこと、誰にも渡さないって決めた。


にやけそうになるのを必死で抑えていると、みっくんがたずねた。



「じゃあ、浅野」


「へ、」



「浅野のことは?………好き?」





首を傾げるみっくんに、私は一瞬考えた。



翔太くんのこと……?





「翔太くんのことも、好き、だよ……?」






もちろん友達として、と心の中で付け加えた。




“好き” にも種類がある、っていつか夏奈ちゃんが言っていた。


そのときはピンと来なかったけれど、今ならよくわかる。




みっくんへの “好き” と、翔太くんへのそれは、全く違う。



翔太くんのことも、友達として好きだけど、ドキドキしたり苦しくなったりはしない。



いつも助けてくれる、頼りになる良い友達だなって思ってる。






…………あれ、みっくんが静か?




ふと、我に返った。

私の答えに対して、みっくんは何も返さない。





どうしたのかな、なんて不思議に思ってみっくんを見上げると。



「っ!?」




そこには尋常じゃないほどイライラしたみっくんがいて。



殺気立っているのが目に見えるほど。





な、なんで!?


私、なにかしたっけ!?

身に覚えがないんですけど……っ!




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