お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
「空いてるよ……?」
でも、翔太くんが何のためにそんなことを聞くのかがわからなくて、首をかしげながら答えた。
私の答えに、翔太くんが少し嬉しそうな表情に変わる。
「じゃあさ、俺と……」
そこで、少し緊張したように言葉をとめる翔太くん。
そんな様子を見て、私まで “何を言われるんだろう” と緊張してきた。
翔太くんは、もう一度口を開いて、はっきりと告げる。
「俺と、デートしてくれない?」
「でっ、でで、デートっ!?」
翔太くんのお願いが、あまりにも予想外すぎて、思わず声が裏返ってしまった。
デート、なんて誘われたこともないし、行ったこともない。
それに、私たちは、別にカップルでもないのに─────
戸惑いを隠せずに、アワアワとあれこれ考える私を見て、翔太くんは、ふ、と笑みをこぼした。