お前のこと、誰にも渡さないって決めた。


ちょっとくらい 『可愛い』…って言ってくれたってもいいのになぁ、なんて思ってしまう。


目で訴えようと、みっくんの顔を見上げると、みっくんは思ったよりも心配そうな表情で。



そんな表情にハッとした。




クリスマスの日、翔太くんに告白されたかと思えば、なぜかみっくんが私のところに来て、そしてみっくんの存在に安心した私は倒れてしまったんだ。



病み上がりで体調が万全ではないってことは、わかっていたけれどまさか熱があったなんて自分でも気づかなかった。




あのときの記憶は熱に浮かされていてほとんどなくて。



でも、自分の部屋で目が覚めたあと、ママが教えてくれたんだ。


『光希くんがここまで運んでくれたんだよ〜』って。




そこで初めて、みっくんと会ったのが夢じゃなかったんだって気づいて。



そして慌ててラインしたの。




[ 家まで送ってくれてありがとう! あんまりよく憶えていないけど、ママに聞きました。迷惑かけちゃってごめんね…… ]




すぐに既読がついて、数分も経たないうちに返信が来て。



調子はどうなの、とか、家には誰かいるの、だとかたわいない話をしばらく続けていたんだけれど。



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