お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
「……んで、少し早いけど誕生日おめでとう、ひまり」
「っ……!ありがとう、」
思いがけないお祝いの言葉。
「俺たちは幼なじみだけど、」
みっくんが前置いて。
私は一言一句残らずに聞き取ろうと前のめりになる。
「幼なじみだから、ひまりのことを好きになったんじゃない。ひまりだから、好きになったし欲しいと思った。だけど……、」
みっくんは、耳たぶに手で触れる。
もちろん、照れ隠しなのは百も承知だ。
「ひまりが幼なじみでよかった。………16年前、お隣さんの家に、生まれてきてくれてありがとう」
「っ………!」
予想外の温かい言葉に、思わず泣きそうになってしまった。
私と幼なじみでよかった、なんて………そんなの私のセリフだよ。
みっくんと幼なじみでよかった。
出会えてよかった。
好きになってよかった。
みっくんと想いが通じ合った今、本当に幸せで──────。
「みっくん、だいすき………」
思ったことがそのまま声になって、少し恥ずかしくなったけれど、
私の言葉に真っ赤になったみっくんを見て、恥ずかしさなんて飛んで行った。