お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
そうこうしている間に、列はどんどん前に進んで、もう私たちがバスに乗る番になっていて。
「む〜……」
仕方なく、バスへと乗り込むステップに上がる。
みっくんがどこにいるか見つけられなかったなぁ……なんて思いながら右の方に視線をチラリと向けると。
「あっ………!」
「どうしたの、ひまり?」
私が声を上げたのに反応して夏奈ちゃんがくるりと振り向いた。
「みっくん見つけた!」
「え、どこどこ?」
「右隣のバスの近く……!」
ステップに上がったら、視界がだいぶ広くなって、さっき、どれだけ探しても見えなかったみっくんの姿を一瞬で見つけられたんだ。
でも、右隣のバスってことは……
「棚橋くん、プラネタリウムみたいだね」
こく、と小さく頷いた。
みっくん、プラネタリウムなんだ。
そっかぁ………なんだか意外。
みっくんは星とかそういうものに興味がないから。
小学生のころ、2人で私の家の屋根の上で流れ星を見たときだって、私ばっかりはしゃいで。
みっくんはというと、私が屋根から落ちないかということだけに集中しててね?
まぁ、屋根の上ではしゃいでた私も悪いのかもしれないんだけどね。