お前のこと、誰にも渡さないって決めた。

「ゆ、雪帆まで〜!?わかったよ……何話せばいいの?」


嫌そうな口ぶりだけど、終始はにかみ笑顔で恥ずかしそうな香音ちゃんは、本気で話すのを嫌がってるのではなさそうで。

絵美ちゃんにしろ、雪帆ちゃんにしろ、そんなことはもう承知で、グイグイ突っ込んでいく。



「え~っ、やっぱ馴れ初めからじゃない?愛しの光希くんとの!!」



雪帆ちゃんの言葉に胸がドクンッと音を立てた。

そっか、香音ちゃんの彼氏はみっくん……だったもんね。

知ってたはずなのに、今この場でみっくんの名前が出てきたことになんだか動揺しちゃってて。



「う~ん……光希との出会いはね?」



香音ちゃんが瞼を伏せて、思い出すように話し始めた。

その横顔はとっても幸せそうで。



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