お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
そんなみっくんに、香音ちゃんは一目惚れ。
それから幾度となくアタックしたけれど大した反応はなくて、仕方ないと覚悟を決めて告白したところ、まさかのOKだった────、要約するとだいたいこんな話。
たしかに、現実には起こりえなさそうな少女マンガのような話だけど、相手がみっくんだから私には納得できてしまって。
みっくんは優しい。
困っている人がいれば、迷わず手を差し伸べるような人。
そんなみっくんが、迷子になっている子を放って置くわけがないもん。
まぁ今では……その優しさを、私には向けてくれないけれど、ね。
それはそうと、みっくんは優しいうえにカッコイイから。だから、こんな少女マンガ的な展開だって、簡単に出来上がってしまうんだと思う。
さすがはみっくん。
「ひまりちゃん……?どうかした?具合悪いの?」
香音ちゃんの心配そうな声が聞こえて、ハッと我に返った。
「えっ、あ、全然大丈夫だよ!ごめんね、ぼーっとしてたかも……」
「それならいいんだけど……なんだか、苦しそうな表情(カオ)してたから心配しちゃった」