お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
「でも、やっぱり!!光希には私だけ見てほしいって思っちゃうからね!夏休み、頑張ろうかなって」
ふふ、と照れ笑いを浮かべながら香音ちゃんが先を続ける。
「夏祭りにね、誘おうと思ってるんだ〜っ」
あ、ここだけの話ね?他のみんなには内緒だよ、と香音ちゃん。
そんな香音ちゃんの宣言に。
「えぇ~っ!香音、やるじゃん!!」
「さっすが~っ」
と皆盛り上がりを見せて。
「が、がんばってね……!!」
私もエールを送る。
………でも、そっか。
みっくんは誘われたら、先約やよっぽどの理由がない限り断らない。
だから、今年はきっと香音ちゃんと夏祭りに行くんだろう。
夏祭りはみっくんと行くのが毎年恒例で楽しみにしていたけれど、今年はみっくんとは行けなさそうだ。
恒例がなくなるのは少し寂しいけど…………、仕方ないよね。…まぁ、今年は夏奈ちゃんを誘って行こうかな!
「わっ、もうこんな時間!」
雪帆ちゃんの声で、ハッと意識を引き戻す。
それから時計を見ると、既にもう日が変わっていた。
そんなに喋ってたのかぁ……
やっぱりガールズトークって末恐ろしい。
話題がぽんぽん出てくるもんね。