お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
「もうそろそろ寝よっか!」
「そうだね~」
明日は海に行くしね、とみんなで布団に転がった。
そして、やっぱりみんな疲れていたのか、すぐに眠ってしまった。
私はというと、疲れていたはずなのになんだか眠れなくて、目が冴えていて。
「………ひまり?起きてる?」
そんな私の耳に夏奈ちゃんの囁き声が入ってくる。
あれ?夏奈ちゃん、まだ起きてたんだ。
「夏奈ちゃん!起きてるよっ」
「ちょ、ひまり静かに……!」
私は夏奈ちゃんに勢いよく返事したけれど、どうやら勢いがよすぎたらしい。
あ、そうだ夏奈ちゃんに聞きたいことがあったんだ。
「そういえば夏奈ちゃん、途中から全然会話に参加してなかったけど………」
夏奈ちゃんは、自分の中学校のときの話をしただけで、あとはずっと静かに聞いていた。
いつもなら会話に入っていきそうなのに、どうしたのかなって思ってた。
「あー……、あれはちょっとひまりのことが気になっちゃって」
「え、私?」
「途中、元気なさそうに見えたけど」
「あ、あれは本当に何でもなかったよ!?元気元気!!」
ならいいんだけど、と夏奈ちゃん。
「心配してくれたの?ありがとうっ」
深夜で若干ハイになったテンションでそう言うと、「心配してソンした」と夏奈ちゃんから応答が。
あ……そうそう、それからもうひとつ。