お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
「夏奈ちゃん、夏祭り一緒に行こうね!」
「いいけど…、急にどうしたの」
どうしたの……か。
それは、みっくんと一緒に行けなくなっちゃうから、なんだけど。
そんなこと今言う必要もないしね。
「早く言っとかなきゃ、夏奈ちゃんに先約入っちゃったらダメでしょ?」
そう言うと、夏奈ちゃんは嬉しそうに微笑んだ。
「楽しみにしとく」
「うんっ!」
夏奈ちゃんと話していたら、なんだか心が落ち着いてきて。
ふああ、とあくびが零れて。
それに気づいた夏奈ちゃんが、
「ひまり、おやすみ」
「おやすみなさ……」
“おやすみなさい” を言い終わる前に、私の瞼は落ちて、意識は夢の中へと吸い込まれていった。