お前のこと、誰にも渡さないって決めた。

●優しいところは変わらない

*
*

「海だ~~~っ!!」

「うぇ────いっ!!!」


空も青。
海も青。

天候にも恵まれて、
今日、臨海2日目は絶賛海日和。


予定通り、海で遊べる一日になりそう。



「ひまり、やっぱその水着似合うね~っ」



隣にいる夏奈ちゃんが私の全身をまじまじと見つめながらそんなことを言ってきた。



「お、お世辞はいいよ………っ」



実は、さっきみんなで更衣室で水着に着替えてきたばっかりなんだよね。



改めて自分の水着姿に視線を落とす。

…たしかに、この前夏奈ちゃんに見立ててもらった “水着は” 可愛い。


白いビキニで、胸元も下もフリルたっぷり。
肩はひもをリボン結びするような形で、とっても可愛くて、たしかにテンションは上がる。



………んだけど、やっぱり私にはムリがある!!


だって、私、夏奈ちゃんみたいにスラッとしてないし!
スラッとしてない割には、その………胸元のボリュームもないし!

なにより、この露出の多さが恥ずかしすぎる!!



「え~、お世辞じゃないよ~?ホンキで似合ってるのに」


ビタミンカラーの水着をバッチリ着こなしている夏奈ちゃんに言われても……。

信憑性に欠けるというか。


自信がどんどんなくなってきて、見るからにしょぼんとしていると。


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