あまりさんののっぴきならない事情
「初めまして。
 俺は犬塚遥真。

 海里の叔父だよ」
と男は笑う。

 ええーっ?
 そっくりですーっ、とあまりは更に固まった。

 海里がもう少し年をとったら、こんな感じかなと思う感じだ。

 いや、この人もまだ、充分若いが……と思っていると、遥真は、マジマジとあまりを見、
「ほうほう。
 実物の方がずいぶん可愛いじゃないか」
と言ってきた。

「美人というより、まだ、可愛いと言った感じだなあ。
 海里は写真を見て一目で気に入ったようだが」

 あいつ、ロリコンかな、と呟いている。

 いやいやいや。
 私、一応、子どもじゃないんですけど、と思っていると、
「写真見ただけで結婚を決めるとか、戦時中かって感じだが。
 そういえば、海里の写真はどんなのだったんだい?」

 見せてよ、と言ってくる。

「いえ、私は持ってませんが」

 お断りするつもりだったので、と言いかけたとき、誰かが遥真の前に、スマホを差し出した。
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