あまりさんののっぴきならない事情
「ああそうだ。
 明日、いよいよ奴を捕まえようかなーと思うので、協力してくださいねーっとお願いに来ようと思ったんですけど。

 もうお願いじゃないです。

 協力してください。

 僕は今日は、ひとり酒を吞んで寝ますからっ」

 それから此処、壁薄いですからっ、と叫んで、服部は居なくなった。

「……どんな八つ当たりだ」
と閉まった扉を見ながら、海里が呟く。

「仕事、大変そうだな。
 ストレスが溜まってるんだろう」

「海里さんは大変なお仕事なのに、ストレス溜まらないんですか?」
と問うと、問うと、こちらを見下ろし、

「俺にはストレスを発散するいいオモチャがあるからな」
と言ってくる。

 そういえば、ずっと海里に抱っこされたまま服部と話してたな、と思う。

 いや、まあ、話してたの、海里さんだけど、と思っていると、
「よし、降りろ」
とあまりを降して、海里は言う。
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