あまりさんののっぴきならない事情
「僕の昔の知り合いのすごいイケメンで、確か、父親の会社で支社長を……」

 言い終わらないうちに、沙耶は、
「あまりさん、紹介してくださいっ」
とこちらを振り向き、言ってきた。

 成田を見て、此処でバイトしようと決めたという沙耶は、イケメン好きだ。

「いや……成田さんに頼めば?」
と言うと、

「そんな成田さんに頼むなんて、失礼な」

 ねえ、成田さん、と本人に向かって言い、

「いや……別にいいよ」
と言われていた。






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