闇瞳
その永瀬拓海の後ろには
白龍の幹部らしき人もいた。
「可愛いのにもったいない。女の子が喧嘩なんてしちゃダメだよ。」
そういって顔を出したのは、これもまた
綺麗なさらさらな茶髪で整った顔をしたひとだった。
つい、見とれてしまうような人達だったが
「あんた達には関係ない。何も知らないくせに口出さないでよ。」
私は絶対に、人を信じない。
「今こうやって話してんだから関係なくないでしょ。悩んでるなら話聞くよ?」
こうやって優しいことを言われると
裏切られたことを思い出してしまう。
「結構です。失礼します。」
私は信じない。誰も。誰も。