午前0時、魔法が解けるまで。
「美香」
名前を呼ぶと、彼女は見るからに不快そうに顔を歪ませて私のお腹を踏み付けた。
ヒールが服越しに肌にくい込む感覚がした。
「ずっとあんたが大嫌いだったの。」
吐き捨てるような言葉。今まで見たこともないような美香の無機質な表情に、私は息を呑んだ。
本能的にこのままここにいては危ないと脳が警告を出す。
私を踏みつける足を掴んで振り払えば、案外あっさりと解放された。勢いよく起き上がって、走り出そうとすれば足首を掴まれ、強い力で引っ張られた。
「おいおい、オレ達のことは無視かよ?」
掴まれた足首から視線を辿っていくと、男が品のない笑顔を浮かべていた。
その傍らに、2人の男。