午前0時、魔法が解けるまで。
「何があった?逢坂にやられた?」
「ンなわけねーだろ!!」
すっかり気が動転してしまっているらしい由美子は涙目になりながらよしよしと私の背中をさすりながら、逢坂くんから私を引き離すように抱き寄せた。
私は由美子の柔らかくも逞しい背中に腕を回して身体を預ける。
「逢坂くんは私を助けてくれたの」
私が小さな声でそう言うと、逢坂くんは急に口を閉ざして壁に立て掛けてあったパイプ椅子を出して腰を下ろした。