午前0時、魔法が解けるまで。
「……ああ、ごめんごめん。さっきまでこの世の終わりみたいな顔してたのに、ずいぶん元気になったみたいだから」
そう言って、腫れぼったい目元に触れるか触れないかで綺麗な指先が添えられた。
「腫れてるね。何か冷やすもの買って来ようか?」
「い、いえ!そんなにお世話になれません!」
初対面の人にそんなに甘えるわけにいかないと全力で首を横に振る。
すると男の人は何か考え込むように自分の顎に指を当ててうつむいた。