午前0時、魔法が解けるまで。
救急箱の構造は二段重ねに収納できるもので、下段が広く手当に必要な最低限の薬品や包帯などがきっちり整頓されて入っている。
由美子は下段の方から消毒液の容器と脱脂綿の入った袋を取り出した。私は消毒液を見てう、と露骨に嫌ですといった顔をしてしまう。
由美子が脱脂綿を取り出して消毒液をザバザバとかける。
そんなに浸す必要はあるのかと思ったけれどまあ、手当をしてもらっている身なので我慢しよう。