午前0時、魔法が解けるまで。






私はタイミングよく通知を告げてきた床に転がるスマートフォンを手に取って助かったと思いながらロックを解除する。



「優衣ちゃん?」



スマートフォンを握りしめたまま動きを止めた私を不審に思ったのか、砂川さんが眉をひそめる。


画面をスクロールするために液晶に触れる手が小刻みに震える。


急激に胃が痛くなってきて、私はごまかすように唇を噛んだ。







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