午前0時、魔法が解けるまで。






幸か不幸か、私が映っているのは後ろ姿だけだったが、砂川さんの顔はしっかりと映されている。


間違いなく、この間砂川さんとカフェに行ったときだ。


2枚目の写真には、その投稿がどれだけ世の中に注目されているかを突き付けられるようなシェア数が載せられていた。



「……ごめん、優衣ちゃん。事務所から呼び出しかかったからちょっと行ってくる」



神妙な面持ちでスマートフォンの電源ボタンを一度押した砂川さんは私の頭に手を乗せて、髪の毛を梳くようにして撫でた。







< 219 / 398 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop