午前0時、魔法が解けるまで。









冷や汗をかきながら挙動不審になる私を見てよほど体調が悪いのだと勘違いしたらしい男の人は先ほどから下がりがちだった眉を更に八の字にした。



「顔色が悪いね。タクシーを呼んだ方がいいかな。あ、すみませ――」



「ああああ歩きで!家までお願いします!!」




歩道の近くに停車するタクシーに向かって手を上げようとする男の人の腕を掴んで制止する。


ドアを開けてくれたタクシーに謝罪の言葉を述べて、男の人の腕を引いて足早にその場を後にした。









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