午前0時、魔法が解けるまで。
「砂川さん」
私が不安げに声をかけると、砂川さんはふわりと笑って私の髪の毛をひとふさ指先に絡めて、そこにキスを落とした。
「大丈夫。何があってもまた、必ず会いに来るよ」
砂川さんはそう言って私の返事も聞かずに立ち上がって、部屋を出ていった。
"この女の人、あんただよね?"
"やばいよこれ"
由美子から立て続けに送られてくるメッセージに私は泣きそうになるのをこらえ、スマートフォンを握りしめた。