午前０時、魔法が解けるまで。

第四章

神さまなんて居やしない

雨の日のことだった。



その日は嵐が迫ってきていることもあり、風も強く雨を防ぐためにさした傘は骨組みが折れて廃棄物と化していた。


幼い頃の私が、肩のあたりまである髪を揺らして雨の中を必死に走っていた。


水たまりを気にする暇もなく水を弾いて、スニーカーが水浸しになっていく。



『やだ……！来ないで……！』