午前0時、魔法が解けるまで。
遮るように言われたそれを、私は理解できず弾かれたように顔を彼に向けた。
「忘れさせてあげる、その人のこと」
違う言葉選びでかけられた同じ意味の言葉に私の心臓が跳ねたのがわかった。
「あ、の――」
「ん?」
降り注ぐ優しい声に甘えたくなる。
なんとなくだけれどその言葉に他意や雑念はなくて、純粋に私を慰めたいという気持ちが伝わってきた。
「わ、私の家……今誰もいなくて」
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