午前0時、魔法が解けるまで。








後から思えばこの時の私は失恋の悲しさと寂しさで頭がどうかしていたんだと思う。


正しい判断力があれば初対面の人にこんなによくしてもらったあとにこんな行動に出ることはなかっただろう。




「良かったら……上がっていきませんか?お礼もしたいですし」


「……意味、わかってる?」



驚いたような顔と声。


私は赤い顔を隠すように、男の人の腕を掴んで、その胸にもたれかかった。








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