午前0時、魔法が解けるまで。






「わかりました」


「あなたが物分りの良い方で良かった」



黒川さんはほっと胸を撫で下ろして、にっこりと笑う。

私はそれを唇を噛み締めて睨むことしかできない。



「砂川は今、事実確認を取るためもあって事務所の寮で謹慎処分中です。大学の方も、辞めさせる予定で手続きを進めていますので、あなたが危惧することは何もありません」


「!そんな、大学くらいは……!」



砂川さんは今年度で卒業で、数えればもう卒業まで4ヶ月もないだろう。


4年間も芸能活動と両立させて必死に通ってきた大学を、残り4ヶ月というところで中退させるだなんて。






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