午前0時、魔法が解けるまで。






『砂川に電話しても出ねえんだよ。お前なんか知ってるか?』


「……えっと、今日、砂川さんの事務所の人が来て」



電話越しに逢坂くんが息を呑んだのがわかった。



「砂川さん、今謹慎処分中で事務所の寮にいるって」


『マジであのくらいの写真すっぱ抜かれたくらいでそこまでするかよあのクソ事務所……』



逢坂くんが重々しいため息をついて、私はなんだか泣きそうになって口を一の字に結んだ。



『それだけか?』

「……え?」

『言われたの』



逢坂くんの言葉に、私は少し黙り込む。
彼に話してもいいのだろうか。同じ事務所の人間だし……。


他言するなとは言われていないから、話したところで問題にはならないだろう。







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