午前0時、魔法が解けるまで。






「す、すごいですね……」


「やんちゃしてた時代がこんな時に役に立つなんてな……」



一体どんなやんちゃをしたらこんな窓から飛び降りるスキルが身につくんだ。


逢坂くんが私を地面に下ろし、私も逢坂くんの服にしがみついていた手をパッと離す。服をしわくちゃにしてしまった……。



「表に車停めてる。走れるか?」


「大丈夫です」



私が返事をすると、逢坂くんは私の二の腕をがっちり掴んで引きずるように走り出した。

足の長さがそもそも違いすぎるので、逢坂くんにとっての小走りが私の全力疾走になってしまう。






< 278 / 398 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop