午前0時、魔法が解けるまで。
「後ろはスモークガラスだから外からは見えねーよ」
「……その、逢坂くんは」
おずおずと口を開くと、その意味に気付いたらしく逢坂くんは心底面倒くさそうに答えた。
「なんか見えないように頑張ってくれ」
その言葉と同時にギアの切り替える音。
車のアクセルが踏まれ、発進する勢いで私は前のめりになる。
運転中の運転手にしつこく話しかけるわけにもいかず、私は意を決してバッグの中身を漁る。