午前0時、魔法が解けるまで。
第五章
付き合ってるのに片想い
件の生放送、そして私が大学に復帰してから2日が経った。
砂川薫の熱愛報道の相手が私ではないかということがキャンパス内でまことしやかに囁かれていてすごく視線が痛かった。
疑念、嫉妬、羨望、あるいは好奇心の混じった視線や噂話。
それでもあくまで噂の域を出ないこともあり、直接私に何かをしてくる人はいなかった。
「おはよう、優衣」
最近非常に休みがちだったので、私は頭を抱えながらスケジュール帳のメモの欄に欠席回数を書き出してうなり声を上げていた。