午前0時、魔法が解けるまで。






「モーゼかよ」



由美子がぽつりとつぶやいた。


一呼吸遅れて姿を現した声の主は、予想してた通りの逢坂くん。

普段から不機嫌そうに寄せられている眉根はよりいっそうぎゅっとなっていて、彼が今とてつもなく機嫌が悪いことがうかがえる。

普段生きている上では人混みや騒がしいことが好きじゃないんだろう。



「あ、」



私と由美子が同時に声を漏らした。






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