午前0時、魔法が解けるまで。






逢坂くんの後ろに守られるようにして姿を現した人。



「薫くん」



小さなつぶやきが本人に届いたのかはわからないが、砂川薫――その人は、穏やかな微笑みをたたえたまま顔を上げた。


しばらく視線をさまよわせたあと、私の姿をばっちりととらえた薫くんはパッと笑ってこちらに向かって手を挙げた。






< 314 / 398 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop