午前0時、魔法が解けるまで。






「待たせてごめんね」



甘い声が耳元で反響する。


くすぐったさに身をよじれば、薫くんは私を抱きしめる腕に力を込めた。



「私はどこにも行きませんよ?」



背中に回された手は、何かに怯えるようにほんの少しだけ震えていた。

それに気付いた私は身体の力を抜いて、頭を薫くんの胸に預ける。







< 317 / 398 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop