午前0時、魔法が解けるまで。
「好き」
「はい」
2、3度頭を撫でられて、薫くんの身体が離れた――いや、正確には剥がされた。
「いくら公認になったからって公衆の面前でイチャつくなバカップル」
こめかみに青筋を浮かべて薫くんの首根っこを掴む逢坂くん。
いつの間にか由美子も私のそばにきていて、引き剥がされた勢いで倒れそうになる私を支えてくれていた。
広くなった視界で周囲を見回せば、膝から崩れ落ちて泣いている女の子や信じられないというような顔をして私を睨みつけている女の子。
面白そうに指さして何かを話している男の子など、様々な反応をしている人達がいた。