午前0時、魔法が解けるまで。
「おい、お前に連絡つかなかったり緊急事態だったからあたしがそいつに教えたんだよ。可哀想だから離してやれ」
見かねた由美子がフォローに入って、薫くんは渋々といった様子で逢坂くんの肩を離した。
「そっか……ごめん」
色んな人にたくさん迷惑をかけてしまったと薫くんがつぶやいて、肩を落とす。
なんだかしんみりした空気になってしまって、フォローしようとしたのか逢坂くんが口を開きかけて――それは悲鳴に変わった。
薫くんは逢坂くんのお尻の方にあるズボンのポケットにおもむろに手を突っ込んでいた。