午前0時、魔法が解けるまで。
「おおおおお前!!」
薫くんはパスワード入力画面で適当にボタンを押しまくっていた。
それに気付いた逢坂くんは慌てて自分のスマートフォンを取り戻そうと手を伸ばすが、薫くんは一切無駄のない動作でそれをひらりと交わす。
「はい。あとで優衣ちゃんの連絡先消しておいてね?」
ひとしきり押して満足したのか、薫くんはすっきりした表情で逢坂くんにスマートフォンを手渡していた。
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