午前0時、魔法が解けるまで。






「……優衣ちゃん、無理してる?俺、強引だったかな」



驚いて顔を上げると、薫くんは少しだけつらそうにして無理矢理笑っているようだった。



「か、薫くん!」


「俺、嫌なんだ。優衣ちゃんの目線も、気持ちも、全部俺だけに向いてくれないと」



繋いだ手の力が緩くなる。



「優衣ちゃん、何も言ってくれないから。……不安に、なる」








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