午前0時、魔法が解けるまで。
「私、妊娠したの」
一瞬頭の中が真っ白になって、美香の言葉が反響するように繰り返される。
後ろから肩を叩かれて我に返って振り向くと、眉根を寄せて難しそうな顔をしている逢坂くんが立っていた。
「生理が来ないって……先輩に言って……」
みぞおちの辺りがゾワゾワして、唇が痺れる。
それは次第に末端へと広がっていって、指先から血の気が引いていくのを感じた。
嫌だ、聞きたくない。