午前0時、魔法が解けるまで。
「大丈夫だから落ち着け。たぶん砂川もそろそろ大学来るから」
酷く動揺した様子の私に逢坂くんが落ち着かせるように優しい声音で私の背中を規則正しく叩く。
「アンタやっぱりまだ増田のこと」
由美子が言いかけて、口をつぐんだ。
美香が床に突っ伏すようにして泣いている。
視界が白くかすみ始めて意識がふわふわとし出す。
恐らく貧血だ。
やがて目の前がチカチカと黒く光が弾けるように点滅し出して警鐘を鳴らす。