午前0時、魔法が解けるまで。
お迎えに上がりました、お姫様
「優衣、大丈夫?」
由美子の声に意識を引き戻されて重いまぶたを上げる。
目の前には由美子の心配そうな顔と、その後ろには白い天井があった。
もう何度目の光景だろう。
「……ここ、医務室?」
「ああ。貧血だって。アンタ、ちゃんと飯食ってんの?」
身体を起こすためにベッドに手を付けば、かすかに残った指先の痺れを感じた。
貧血で倒れたのなんて高校ぶりだ。
貧血になりやすい体質だから気をつけてはいたんだけど、最近は色々とバタバタしていたからすっかり忘れていた。