午前0時、魔法が解けるまで。
「ああ、高校一緒だった……高校の時あんなに地味だったのに、見違えたたね」
「……」
にっこりと貼り付けられたような笑顔に私はは得体のしれない恐怖を覚えて後ずさる。
それに気付いたらしい増田先輩は私の手首を掴み上げた。
「俺のこと好きで大学まで追いかけてきたんでしょ?知ってるよ」
増田先輩って、こんな人だったろうか。
少なくとも初めて出会った時はこんなふうに人を馬鹿にしたような話し方をするような人ではなかった。