午前0時、魔法が解けるまで。






「そんな、」


「どうしたら黙っていてくれる?」



掴まれていた手を上げられ、無理矢理抱き寄せられる。

突然のことにとっさに対応できず、そのまま増田先輩の大きな手で強く頬を掴まれた。



「他人の関係に口を出すと痛い目見るって教えてやるよ」


「や、やだ……!」



増田先輩の顔がグッと近づいて唇に彼の息が当たる。

キスされそうになっていることに気がついて身をよじると掴まれた頬に彼の指がきつく食い込んで激痛が走る。


頬から手を離されたと思って安堵すると、もう片方の手で掴まれていた腕をひねり上げられて彼に向かって背中を預けるような形になってしまった。






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