午前0時、魔法が解けるまで。






「何を……」



洋服の襟を掴まれて強く引っ張られるとブチブチと布の繊維の壊れる音がした。


そちらに気を取られていると、首筋に温かくて柔らかいものが押し当てられてゾワゾワと寒気が背中を駆け抜けた。



「嫌!死んでも嫌!」



薫くん以外に触れられるなんて絶対に嫌だ。


そう思いながら精一杯の抵抗をするけど、大きな手が鎖骨に触れて、少しずつ下に下がってくる。



「はい、そこまで。」



増田先輩のものではない声がして、身体が急に解放されて私は芝生の上に膝から崩れ落ちた。







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