午前0時、魔法が解けるまで。






「はいはーい、行ってらっしゃい」



子を持つ主婦が夜中に飲みに行くのはどうなのかと言われることもあるが、お父さんは仕事の関係上、単身赴任で遠方に住んでおり滅多にこっちに帰ってこないしその辺りは放任。


うちのお母さんに限ってやましいことがあるわけもないので私も普通に受け入れている。



「お土産は何がいいー?」


「お母さんが無事に帰ってきてくれたらそれでいいよ」



特にこれといったものが思いつかなかったので適当にそう答えると、いつもよりお洒落をした母が身体を震わせながら腕を広げて私の方に突っ込んできた。






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